世界のサッカークラブのオーナー

比較的新興国の部類である日本のサッカーではあまり馴染みがないことですが、世界に目を向けると、サッカークラブを所有する名物オーナーもまた、サッカーを彩るキーパーソンでした。自分の資産を選手獲得に費やし、時には監督や選手と衝突しながら、クラブを運営していったのです。もちろん経済的なメリットもあってのことでしょうが、祖国や地元クラブへの愛情が根底にあることがわかっていたので、サポーターから愛情を受けることも珍しくありませんでした。

しかし、サッカー市場が世界へと拡大していく中、国外の富豪が圧倒的な資金力を背景にサッカークラブを買収することが増えていきました。それにより一躍中堅クラブから優勝を争うビッグクラブへと変貌したクラブも多々あります。負債がかさみ消滅の危機に瀕したクラブにしてみればまさに救世主といったところでしょう。

しかしメリットばかりではありません。クラブの伝統を理解できず、ユニフォームやエンブレムを変えようとして猛反発を受けた外国人オーナーもいれば、成績が振るわず降格したのを機に、クラブを売りに出すような、あくまでビジネスと割り切ったドライな態度も見受けられます。クラブにきちんと愛情を示してくれるオーナーに恵まれれば幸運でしょう。